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借地借家の法律関係4 – 借地非訟(1)

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借地借家の法律関係4 – 借地非訟(1)

たとえば,

 ・借地上に所有する建物を,木造の建物から鉄筋コンクリート造りのマンションに建て替えたい。

 ・借地上に所有する建物について,建替え,増築,大修繕等をしたい。

 ・借地上に所有する建物について,借地権付建物として売却したい。

 

 土地を借り,その上に建物を所有する人が上記のように考えたとき,借地契約上または法律上,地主の許可を得る必要があるのが一般的です。

 このような場合,建物所有者である借地人は,地主と交渉して建替えや修繕,借地権の譲渡等について承諾を得るとともに,承諾料として,一定の金員を地主に支払うということが多く行われています。

 

 しかし,地主が建替えや修繕,借地権の譲渡等について,承諾してくれない場合や,承諾自体はしてくれそうだが承諾料の額についてどうしても合意ができない場合,そもそも話し合い自体に応じてくれない場合等に,借地人の立場にある人は,どのような手続をとれば良いのでしょうか。

 

 そんなときのために,法律上用意されている手段が,借地非訟手続という手続です。

  この借地非訟手続とは,たとえば建替えや修繕,借地権の譲渡等について,地主から承諾を得られない場合,裁判所が地主の承諾に代わる許可の裁判を行うという手続です。

 

 この借地非訟手続を申し立てると,裁判所が,建替えや修繕,借地権の譲渡等について,許可をするのが相当な事案かどうかを判断し,相当であると認めれば,地主の承諾に代わる許可の裁判をするということになります。

 この裁判所の許可の裁判は,地主の承諾に代わってなされるものですから,許可の裁判がされれば,借地人は,地主から直接承諾を得ることができなくても,建替えや修繕,借地権の譲渡等を行うことができます。

 

 また,裁判所は,建替えや修繕,借地権の譲渡等について相当だと認める場合に,借地人から地主に支払う承諾料の額についても,事案の性質に応じて妥当な額を定めることができます。

 裁判所により上記の承諾料の額が定められた場合は,その承諾料の支払いがされることを条件に,建替えや修繕,借地権の譲渡等を許可する決定を行うということになります。

 

 裁判所が,建替えや修繕,借地権の譲渡等を許可するべきか,或いは許可するとして,承諾料等の金員の額をいくらにすべきかを決定するに当たっては,弁護士,不動産鑑定士及び建築士等の有識者から構成される鑑定委員会に意見を聞くことになっています。

 鑑定委員は,現地調査をした上で,裁判所に意見書を提出します。

 

 通常の訴訟手続と異なり,借地非訟における鑑定委員の現地調査については,鑑定費用は国が負担することになっており,当事者が負担する必要はありません。

 ただし,鑑定委員が現地調査を行い,その上で意見書を作成して提出するので,その分の期間がかかることになります。

 

 借地非訟は,非訟手続ですから,通常の訴訟とは手続が異なる点があります。

 

 たとえば,一般の民事訴訟と異なり,手続は非公開で行われます(非訟事件手続法30条)。

 

 また,借地非訟手続は,借地権が存在することを前提に,裁判所が,地主と借地人との間の協議の成立やその承諾に代わる許可等の裁判を行うことによって,当事者間の利害を調整するという手続です。

 そのため,そもそも借地権の存在自体に争いがある時は,別途,通常の民事訴訟や調停等の他の手続を起こして判断を求める必要があります。

 このように別途の手続が申し立てられると,その手続が終了するまで,借地非訟の手続は中止され,手続が止まる場合があります(借地借家法48条,民事調停法20条の3第2項)。

 

 

当事務所では,代表弁護士藤井篤が,土地・建物の問題を含めた住宅事業専門の生協において理事も務める等,土地・建物の法律問題を長年多く扱ってきました。

そのため,現在でも貸主側,借主側の双方から,借地非訟手続をはじめとした,訴訟,調停,交渉等の各手続につき,で多くの借地借家関係のご相談,ご依頼を受けております。

 

賃貸借の問題でお悩みの方は,是非ご相談ください。

(2016.2.18)

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